スマートフォンの動画の画質の比較
Last update 2012/05/10 16:07
最近のスマートフォンは、カメラの画質も飛躍的に向上してきました。
私はあまりスマートフォンで動画を撮影することはありませんが、旅行や記念日に撮影する人も多いと思います。そこで、今回はスマートフォンの代表的な機種、iPhone4、GALAXY S2、Xperia ray、P-07C、そして参考にハイビジョンビデオカメラHDR-XR500での動画の画質の比較をしてみました。
これだけ端末があると、どれがどこに保存されたか管理するだけでも大変!!ですが、なんとかやってみました。
カメラのスペック
端末 | 画素数 | 解像度 | ビットレート |
GALAXY S2 | 800万画素 | 1920x1080 | 17.0Mbps |
iPhone4 | 500万画素 | 1280x720 | 10.7Mbps |
Xperia ray | 810万画素 | 1280x720 | 6.1Mbps |
P-07 | 510万画素 | 640x480 | 4.1Mbps |
HDR-XR500V | 663万画素 | 1920x1080 | 17.0Mbps |
画素数は静止画像カメラのものです。
この中で唯一、パナソニックのP-07Cはハイビジョンカメラには対応しておらず、スタンダード画質になっています。
スペック的に見ると、それほど差がないように見えますが、実際にはどうなんでしょうか?
GALAXY iPhone HDR-XR500
まずは、GALAXY S2、iPhone4、ハイビジョンビデオカメラHDR-XR500Vで青空を撮影してみました。
GALAXY S2で撮影した動画をキャプチャーしたもの。
こちらがiPhone4。
ぱっと見、色見が違うのがわかります。これは、ホワイトバランスが各メーカーによって違っているためだと思われます。
ホワイトバランスとは、コンピューターには電球の明かりに照らされた白い紙と蛍光灯の明かりに照らされた白い紙をどちらも別々の色として捉えてしまいます。
そのため、手動、もしくはアルゴリズムによって白として認識させる必要があります。
この設定がホワイトバランスなのですが、最近は人の手動による設定に頼らなくても、ある程度コンピューターのほうが自動的に認識してくれるようになりました。
その違いによるものだと思われます。
iPhoneのほうがコントラストが強く、綺麗なように見えますが、実際には画素数が少ないことから中間色がうまく再現できてないためにコントラストが強く見えているのだと思われます。
このぐらいの小さなサイズで見るぶんには、あまり違いがわかりませんが、32インチ以上のテレビなどにつなげて表示されると、解像度の違いなどがはっきりとしてきます。
GALAXYはできないっぽい(か私がやり方が知らないのか)のですが、iPhoneは撮影中、ディスプレイにタッチすると、その部分にピントを合わせたり明るさを合わせたりすることができます。
上の画像は、建物に明るさを合わせたところです。
このへんの細かい使いやすさにおいては、iPhoneのほうが上かもしれない。
GALAXYは、マイクの感度がちょっとイマイチでノイズも結構拾ってしまっています。
iPhoneやハイビジョンビデオカメラでは、不要な音は殆ど拾っていないにもかかわらず、鳥の鳴き声はきちんと拾っている点を考えると、GALAXYの場合は何でもかんでも録音してしまっているという感じ。
参考に、ハイビジョンビデオカメラHDR-XR500Vで撮影した動画のキャプチャーも乗せておきます。
まあ、当たり前ですが、スマートフォンの動画とはレベルが違います。
スマートフォンのカメラがいくら性能が上がったとはいえ、専用のハイビジョンビデオカメラに比べれば、大人と子供・・・いや、赤ちゃんぐらいの差があります。
まず、表現の豊かさ。
このサイズだとわかりにくいかもしれませんが、雲の細かな濃淡や建物の細いライン、空の青さなど、大きな画面で見ると違いが歴然。
パソコン用のモニター程度だとそれほど違いませんが、大画面のテレビで比較すると、スマートフォンで動画を撮影する気が失せます。(笑)
それぐらいやっぱりハイビジョンビデオカメラのほうが綺麗です。
それと、YouTubeの動画を見ていただければわかると思うんですけれど、HDR-XR500は手ぶれ補正が非常に強く、スマートフォンで撮影するとどの機種でもユラユラ小刻みに揺れてしまうのですが、ハイビジョンビデオカメラの場合は揺れがほとんどない。
ちなみに三脚を使っているわけではありません。
それと、スマートフォンもハイビジョンビデオカメラも、フレームレートは29~30(1秒間のコマ数)ぐらいなんですけれど、どういうわけかスマートフォンで撮影した動画は、全てちらつきが気になる。
ハイビジョンビデオカメラで撮影した方は、ヌルヌルのスムーズな映像です。
考えてみれば、ハイビジョンビデオカメラはこれだけの大きさの中に、動画を撮影するためのレンズやら機械がぎっしり積み込まれているわけで、おまけ的に搭載されているスマホのカメラとは差がついて当然なんですけれど。
蒼々とした若葉
続いて、晴れた日の柿の葉を撮影。
5月だったので、若葉が青々しく綺麗でした。
GALAXY S2の場合。
iPhone4の場合。
やっぱりiPhoneのほうがコントラストが強いですね。
明るい場所での撮影は、ほとんどさがつかないですね。
色味やコントラストが好きかどうか・・・でわかれると思います。
こちらはハイビジョンビデオカメラの一部。
やっぱりレベルが違うなぁ。
クリックするとその差が歴然とします。
雨の日
今度は雨が降った日の映像です。
GALAXY S2の映像。
iPhone4の映像。
よく見てみると、GALAXYもiPhoneもピント合わせがうまく言っていない気がするような・・・。
スマートフォンは被写体深度が浅いんで、基本的にはデジタルカメラやビデオカメラに比べるとどこでもピントが合うような感覚なんですけれど、ちょっとずれているような気がする。。。
ハイビジョンビデオカメラの表現力は、相変わらず二回りぐらい違いますね。
それぞれの動画
今度はXperia rayとP-07も加えて、単独でYouTubeにアップロードしてみました。
GALAXY S2
iPhone4
Xperia ray
P-07C
ハイビジョンビデオカメラ HDR-XR500
まとめ
以前、iPhoneとAndroid カメラ画質の比較という記事で、iPhone4とGALAXY S2、Xperia rayのカメラ(静止画)の比較をしましたが、Xperia rayが一番自然というか発色が良いというか鮮やかというかという感じだったんですけれど、動画の撮影でもそれは同じですね。
やっぱりXperia rayの映像が一番きれいな気がします。
ちょっと鮮やかすぎというきらいもありますけれど。
P-07Cは、残念ながらハイビジョンではないのでカメラには期待しないほうがいいかも。
ただ、その他の点では結構使いやすいです。
ボタン型の端末に比べて硬いので、使い心地も好き嫌いが分かれそうですが、鞄の中に入れておいても間違って押してしまう可能性が低くなるかも。
で、最終的にはハイビジョンビデオカメラの映像は、群を抜いています。
YouTubeにアップロードしてしまうと、画質が悪化してしまうのでよくわからないかもしれませんが、元の動画はさすが綺麗です。
手ぶれ補正機能がメチャメチャすごく効くので、三脚も必要ないくらい。
スマホで撮影した映像って、どうしても手ぶれが目立つので素人っぽい映像になってしまうんですよね。
あの薄い筐体に光学式の手ぶれ補正を搭載するのは無理なのかもしれませんが、画質がよくなっても手ぶれ補正は、まだまだスマホでは期待しないほうがいいかもしれません。
あと、ちょっと専門的な話になってしまいますが、スマホは撮像素子(光を取り込む部分。人間で言う網膜)が小さく、安価なので速い動きに弱いです。
静止画に関しては、スマホがあればデジタルカメラは必要ないレベルに近づいてきましたが、動画に関してはまだまだ。というのが印象です。
でも、5~6年前の携帯についていたカメラの動画から比べれば、飛躍的な進歩なので、いつの日かビデオカメラ並の画質になるかもしれませんね。
2012/05/10 16:07 | | |