TicWatchのバッテリー
Last update 2020-01-24 02:49
アンドロイドのApple Watch版のスマートウォッチ「Wear OS by Google」を搭載した「TicWatch Pro」を購入して、日にちがだいぶ経過したので、バッテリーの消費量などをいろいろなモードで調べてみました。
たぶん、スマートウォッチの購入の際に一番気になるのが、バッテリーの消費がどんな感じなのかではないでしょうか?
ざっくり言ってしまうと、普通の使い方をするとApple Watchと同程度。省電力機能を活用すると、20日程度はもちそうです。
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目次
- TicWatchのバッテリー消費量
- 各モードでの推移
- TicWatchの充電時間
TicWatch のバッテリー消費量
以下では、TicWatch Proの検証結果です。TicWatch Proでは、3つの省エネモードがあります。また、常にディスプレイをオンにすることもできます。これらの5つのモードでのバッテリー消費の様子を紹介します。
なお、スマホからの通知は「オン」のままで、Gmailの通知が1日20~30件ほどあります。
TicWatch Proの「Wi-Fi」と「NFC」をオンにし、24時間、心拍数は計測する設定です。
ノーマルモード
以下は、ノーマルモードでのバッテリーの消費の様子です。ノーマルモードという正式な名前があるわけではありませんが、腕をひねるとディスプレイが点灯し、バッテリー省エネ機能はオフにしてあります。
Wi-FiとBluetoothはオン。心拍数も24時間計測し続けます。
6~10時は、外出中。
12~13時半は、クロスバイクでのサイクリング。
13時半~19時半は、室内でデスクワークや家事。
19時半~20時は、筋トレ(Fit使用)しています。
時刻 | 残量 | 減少 |
---|---|---|
06:00 | 81% | 計測開始 |
07:00 | 79% | -2%/h |
12:00 | 66% | -2.6%/h サイクリング開始 |
13:30 | 56% | -7%/h 帰宅 |
15:00 | 53% | -2%/h |
16:00 | 51% | -2%/h |
19:00 | 45% | -2%/h |
19:30 | 44% | 筋トレ開始 |
20:00 | 37% | -14%/h 筋トレ終了 |
室内平均 | 11~12時 13時半~19時半 |
2.00%/h |
外出平均 | 6~10時 | 2.60%/h |
サイクリング | 12~13:30 | 7.00%/h |
筋トレ | 19時半~20:00 | 14.00%/h |
13時間の平均 | 6~20時 | 3.40%/h |
検証結果
1回の満充電で2~30日間使用可能の触れ込みのTicWatch Proですが、室内で過ごす場合は、だいたい1時間当たり2%減。朝起きてから寝るまで(7~22時)の15時間で、30%前後のバッテリー消費になる計算になります。
睡眠中は、あまりバッテリーを消費しないので、室内で活動するだけであれば、満充電すれば2日から2日半はもちそうです。
ただし、以下のように外出やトレーニングなどをすると、バッテリーの減りは早いようです。
外出時
外出(買い物や仕事等)するとGPSの受信によるトラッキング(位置情報や移動速度、高低差などの詳細な記録)や、室内以上に手首の動きも多いため、バッテリーの消費はどうしても多くなります。後で紹介しますが、画面を消えた状態にさせても外出時はバッテリーの消費が多くなります。
ノーマルモード時のバッテリー消費量は、平均2.6%/時でした。
歩き回る営業マンであれば、8時間で20.8%の消費。1日は十分もちそうです。
サイクリングやジョギング
サイクリングやジョギング、散歩など エクササイズアプリを使ったトラッキングを行うと、GPSの受信頻度や心拍数測定頻度が頻繁に行われるので、基本的にバッテリーはかなり消費されます。
TicWatch Proでは、1時間当たり約7.0%減でした。
ちなみにApple Watch Series2も右手につけて走ったのですが、8.7%/時ぐらい。なのでApple Watchと比較すると若干バッテリーの消費は少ないようです。
室内で過ごす場合
デスクワークや家事など、室内で過ごした場合のバッテリー消費は平均2.00%/時程度。
私の場合は主にパソコンに向かうか、家事をしているかのどちらかですが、だいたい1時間に2%減るペース。
同じような使い方であれば、24時間でも50%減程度なので二日はもちそうです。
筋トレ
最後にTicWatch Proで筋トレを検出した場合のバッテリー消費量です。
以前書いたように、「Wear OS by Google」で標準にインストールされる、 Fitエクササイズというアプリでは、筋トレなどのトレーニングの「種目」「回数」を検出することができます。
Fitエクササイズを起動すると、終了させるまではディスプレイが点灯し続け、傾き検知が頻繁に作動するのでバッテリーはかなり消費されるようです。
30分の筋トレで、7%のバッテリーが減少しました。1時間当たりに換算すると14%減になります。
1年が経過 バッテリーの推移は?
TicWatch Proを購入して1年が経過しました。最近ではサクサク動くApple Watch Series 5がメインで、TicWatch Proは筋トレ時しか使わなくなりました。が、久々に1日使用してみてバッテリーの推移がどんな感じか検証してみました。
なお、私は朝5時から働いていて(肉体労働)21時には就寝しています。なので時間表示が若干一般の人よりも早いかもしれません。
以下は、OKグーグルの検出以外はオンにした状態です。
朝5時の段階で90%でした。
12時間が経過した17時の段階で60%。就寝前の20時では55%でした。
この日は筋トレやクロスバイクによるサイクリングなど運動関係の計測は行っていないので、比較的バッテリーの消費は抑えられていたようです。
ウォッチフェイスによる違い
Apple Watch と違い、Wear os by Google搭載のスマートウォッチの最大の特徴が数多くの文字盤(ウォッチフェイス)が選択できる点です。が、実は標準に用意された文字盤以外を使うとバッテリーの減りが恐ろしく早くなります。
以下は、文字盤アプリとしては有名な「Primary Basic Watch Face」にした時のバッテリーの消費と、標準に用意された文字盤の場合とのバッテリーの推移の比較です。
このようにぐんぐんバッテリーが減っていっているのがわかります。ただし、この時は12~13時までクロスバイクで1時間ほどサイクリングしていたのでより減り方が著しかったのかもしれません。
各モードでの推移
Waer os by Googleを搭載したスマートウォッチには、バッテリーの消費を抑えるためにいろいろなモードが用意されています。
続いてはTicWatch Proに用意されたバッテリーの消費を抑えるための各モードによるバッテリーの推移を紹介します。
ディスプレイオフモード
TicWatch Proでは白黒の液晶(FSTNスクリーン)も搭載しています。手首を傾けると、有機ELディスプレイが点灯し、時間などの情報を表示しますが、それ以外は白黒液晶が時間の表示を行います。
このFSTNスクリーンは低消費電力で、明るい場所であれば見やすいという特徴があります。
TicWatch ProではこのFSTNスクリーンのみで動作させることができるディスプレイオフモード(正式名称は「バッテリーセーバー」)があります。
FSTNスクリーンのみのモードにするには
「FSTNスクリーン(白黒液晶)」のみの画面にするには、時計画面を表示させた状態で上から下にスワイプすると・・・
FSTNスクリーンのみを解除するには、「電源ボタン」(上のボタン)を1度短く押すだけです。
ディスプレイオフモードでオフになる機能
ディスプレイをFSTNスクリーンのみにすると、以下の機能がオフになります。
- 有機ELディスプレイが常にオフ
- スマホの通知
ディスプレイオフモードで動作する機能
逆に以下の機能はオンのままです。
- 心拍数の測定
- アプリのバックグラウンドでの動作
- スマホとの接続
例えばジョギング開始後、時計の画面に戻し、FSTNスクリーンのみにするとバックグラウンドでジョギングアプリが動作したままになるので、なるべくバッテリーを消費したくない時はこのモードがおすすめ。
他の省電力モードと違い、「電源ボタン」を押すだけで即、通常モード(ノーマルモード)に戻るので手軽な点もベター。
行動 | 時間帯 | 消費 |
---|---|---|
平均 | 5時半~19時 | 1.90%/h |
外出平均 | 6~10時 | 1.40%/h |
サイクリング | 12~15時 | 4.10%/h |
室内平均 | 15~19時 | 1.50%/h |
検証結果
外出時
ノーマルモードでは、1時間当たり2.6%減少しましたが、ディスプレイオフモードでは1.4%とかなりセーブすることができました。
屋外ではFSTNスクリーンのほうが見やすいので、外出時はこのモードにしておく方がいいかもしれません。ただし、スマホからの通知がオフになるので、バッテリーを取るか通知を取るかのトレードオフになるでしょう。
サイクリングやジョギング
ノーマルモードでは、1時間当たり7.00%減でしたが、ディスプレイオフモードでは1時間当たり4.10%減とバッテリーの消費が40%ほど抑えられています。
また、エクササイズアプリ動作中の白黒液晶画面は、このようにエクササイズ用の数値が表示されます。なので通知が来ない以外は特に不便がないでしょう。
GPSを使うアプリは概してバッテリーを大量に消費するので、このディスプレイオフモードがおすすめ。
室内で過ごす場合
デスクワークや家事で過ごしている間のバッテリーの消費は、1.50%/時でした。
ノーマルの場合は、2.00%/時だったので、約35%ほどバッテリーの消費を抑えることができるようです。
筋トレ
残念ながらディスプレイオフモードは、Fitエクササイズのようなセットが終わったらタップしないといけない筋トレでは使用できません。
使用できなくはないのですが、1セットが終わるたびにディスプレイオフモードを解除しないといけないので実用的ではありません。
というわけで計測していません。
バッテリーセーバー
この「バッテリーセーバー」は、上の「ディスプレイオフモード」と違い、画面はノーマルモードとほぼ同じです。が、以下の点でノーマルモードと違います。
バッテリーセーバーでオフになる機能
- 画面が最高輝度ではなく、一段暗くなる
- スマホの通知が受信できない
- Wi-Fiやモバイル通信がオフになる
バッテリーセーバーで動作する機能
以下の機能は、バッテリーセーバーをオンにしてもそのまま使えます。
- 心拍数の測定
- アプリのバックグラウンドでの動作
- スマホとの接続
つまり、先ほどのディスプレイオフモードとほぼ同じ状態ですね。ただし、画面が暗くて室内でも見にくく、バッテリーの消費はノーマルとあまり変わらないので、あまりこのモードはおすすめしません。
バッテリーセーバーをオンにする
「設定」の「システム」の「バッテリーセーバー」からもオン・オフできます。
ノーマルモードでは手首をひねると、有機ELディスプレイが周りの明るさに合わせて適度な明るさで点灯します。が、5秒ほど経過すると…
このように薄暗くなります。
「バッテリーセーバー」では、画面が点灯した状態でもこの明るさになります。
室内であればこの明るさでも十分ですが、屋外ではほぼ文字の識別は不可能です。
バッテリーセーバー中は、このように時計画面の上部中央に赤いバッテリーの小さなアイコンが表示されます。
行動 | 時間帯 | 消費 |
---|---|---|
平均 | 05時~翌05時 | 2.08%/h |
外出平均 | 06~10時 | 2.75%/h |
サイクリング | 12~14時 | 7.00%/h |
室内平均 | 14~20時 | 1.67%/h |
睡眠中 | 22~05時 | 1.30%/h |
検証結果
外出時
ノーマルモードでは、1時間当たり2.6%減少しましたが、バッテリーセーバー中は2.75%減少してしまいました。
バッテリーの消費が逆に増えてしまいました。
しかも、屋外では画面が暗くて見にくいので、外出する場合はお勧めできません。
サイクリングやジョギング
サイクリング中のバッテリー消費量は、ノーマルモードと変わらない7.00%/時でした。
やはり屋外では画面が見にくいので、バッテリーセーバーはあまりお勧めできません。
室内で過ごす場合
バッテリーセーバーをオンにして室内で過ごす場合、1時間当たりのバッテリーの消費は、1.67%/時でした。ノーマルモードでは、2.00%/時だったので若干バッテリーの消費が抑えられるようです。
室内では、暗い画面でも識別可能なので、バッテリーセーバーモードは有効かもしれません。
省電力モード
さて、他の「Wear OS by Google」スマートウォッチには、搭載されていないかもしれませんが、TicWatch Proには白黒液晶(FSTNスクリーン)オンリーで、アプリも起動できない究極(?)の省エネモードがあります。
TicWatch Proの広告で謳っている30日バッテリーがもつというのは、この「省電力モード」にした場合です。
先ほどのディスプレイオフモードでは、電源ボタンを短く押せばすぐに通常モードに戻れるし、アプリを動作させたままにすることもできます。GPSも動作しますが、この「省電力モード」では、単なる白黒の液晶の腕時計と化します。
省電力モードにするには
省電力モードにするには、「設定」を開き、一番下にある「システム」を開きます。
「バッテリーセーバー」の下にある「省電力モード」をタップします。
省電力モードについての説明が表示されるので、チェックのマークのボタンをタップします。
なお、省電力モードを解除するには、電源ボタンをブルッと振動するまで(3~4秒ほど)押し続けます。
すると省電力モードが解除されますが、操作ができるようになるまで1~2分かかります。
他の省電力モードに比べ、オン、オフにするのに時間がかかるのが特徴です。
省電力モードでオフになる機能
省電力モードでは、以下の機能がオフになります。
- アプリの起動
- GPSなどの通信機能及び一部のセンサー
- スマホとの接続および通知
省電力モードで動作する機能
逆に以下の機能は使えます。
- 時計表示(白黒液晶)
- 心拍数(1時間に1回程度)
どうも省電力モードでも、「心拍数」は計測し続けるようです。ただし、心拍数は1時間に1回程度の頻度っぽい。
この画像は、12時から23時まで省電力モードにした時の取得したデータ。
「歩数計(3,116歩)」が表示されていますが、これは12時まではノーマルモードだったので、その時間帯に取得した値だと思われます。
検証結果
「省電力モード」では、バッテリー残量も表示されない(表示されるが、数値ではなくバー表示)ので、省電力モード開始時(12時)と終了時(23時)のバッテリー残量を調べました。
時刻 | 残量 | 消費量 |
---|---|---|
12:00 | 93% | |
23:00 | 90% | -0.27%/h |
このように、「省電力モード」では1時間当たり0.27%/時しかバッテリーを消費しません。
これは1日(24時間)で6.54%になります。
広告では30日間と書かれていましたが、私の計算だと15日ほど連続使用が可能になります。
ディスプレイつけっぱなしだと?
さて、今度は省エネではなく、画面をつけっぱなし(アンビエント表示)にした場合、どれくらいバッテリーを消費するのでしょうか?
Apple WatchやWear OS by Googleと搭載したスマートウォッチは、有機ELディスプレイと言って、素子1つ1つが独立して点灯します。
液晶ディスプレイは、色のついたセロファンに後ろからLEDライトで透かすことで表現するので、真っ暗な画面でもLEDが点灯したままになりますが、有機ELディスプレイは必要な文字のみが電力を消費するので、少ない文字であれば点灯したままでもそれほどバッテリーを消費しません。
参照:iPhoneをダークモードにしてバッテリーを長持ちさせるには
ただし、常に点灯と言っても最低限のデータのみが表示されます。
例えばこのようなウォッチフェイスの場合・・・
このようにアンビエント表示中は、最低限の表示で、なおかつ黒か白の表現になります。
時刻 | 残量 | 減少 |
---|---|---|
11:00 | 82% | サイクリング開始 |
12:00 | 75% | -7%/h |
13:00 | 69% | -6%/h(帰宅) |
14:00 | 66% | -3%/h |
15:00 | 63% | -3%/h |
16:00 | 60% | -3%/h |
17:00 | 58% | -2%/h |
18:00 | 55% | -3%/h |
19:00 | 52% | -3%/h |
20:00 | 49% | -3%/h |
平均 | 11~20時 | 3.67%/h |
外出平均 | 06~10時 | 4.25%/h |
サイクリング | 11~13時 | 6.50%/h |
室内平均 | 14~20時 | 2.83%/h |
検証結果
つけっぱなし(アンビエント表示)でも、それほど大きくバッテリーを消費するわけではないっぽい。
ただ、屋外の場合、TicWatch Proの白黒液晶(FSTNスクリーン)のほうが見やすいので、あえてつけっぱなしにしなくてもいいかな、と思います。
外出時
画面をつけっぱなしにした状態で外出した時は、1時間当たりのバッテリーの消費は4.25%/時ほどになりました。通常モードの場合は、2.60%/時だったので、少し差がつきました。
ただ8時間で約18%の消費なので、毎日充電する習慣がある人であれば、このぐらいの消費でも丸1日はもちそうです。
サイクリングやジョギング
常時つけっぱなしにした状態でサイクリングした時(アプリでトラッキング使用)の1時間当たりのバッテリーの消費は、6.5%/時でした。これはノーマルモードの7.0%/時よりも少ない値。
短時間で検証回数が少ないので断言できませんが、常時つけっぱなしでもアプリでトラッキング時はそれほど変わらないようです。
ただ、屋外ではFSTNスクリーンのほうが見やすいので、あえてアンビエント表示にする必要はないかもしれません。
室内で過ごす場合
デスクワークや家事など室内で過ごした場合、画面を常時つけっぱなしにした場合のバッテリーの消費は、2.83%/時でした。
TicWatchの充電時間
さて、最後にTicWatch Proの充電時間を紹介しておきます。
充電開始から30分が経過。
30分で31%増。先ほどの11時40分から20分で21%増えました。
さらに5分後(充電開始から40分後)には、6%増。
12時からの10分間に、12%増。
さらに30分が経過し、充電開始から1時間半で94%増えました。
というわけで、満充電するには1時間半~2時間ほどがかかるようです。
まとめ
2週間ほどかけてTicWatch Proのバッテリーの消費を検証してきました(結構疲れた・・・)が、いかがだったでしょう。
私は初代Apple Watchや2代目Apple Watchを使ってきましたが、バッテリーのもちの感想としては、通常利用であればApple Watchと変わらないか若干長持ちする(2~3日程度はもつ)という感じでした。
ただ、Apple Watch以上に省電力モードが豊富で、なおかつ白黒液晶(FSTNスクリーン)搭載なので、モードをうまく変更すればかなり長持ちさせることができると思います。
関連ページ
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最終更新日 2020-01-24 02:49
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投稿日:2018-12-11
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