自炊PDF用アプリの比較
Last update 2012/11/10 22:01
SONY Reader |
Kindle | Moon+ Reader |
Perfect Viewer |
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起動の速さ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
画像・画質 | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
ページめくり | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
機能 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
ストア対応 | 対応 | 対応 | 未対応 | 未対応 |
閉じ | 左右 | 左 | 左 | 右 |
解像度 | 800x1200 | 800x1150? | すべて | すべて |
価格 | 無料 | 無料 | 有料 | 無料 |
おすすめ度 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
自炊した本を読むにはアンドロイドが向いている?
iPhoneと違い、アンドロイドでは内蔵メモリ(ストレージ)内のファイルをアプリから見ることができます。
で、ファイルをタップすると対応したアプリの候補が表示され、どのアプリで開くことができます。
こういったマニアック(?)な使い方ができるのがアンドロイドの魅力でもあります。
今回は自炊してPDF化した電子書籍を閲覧するための代表的なアプリ、SONY Reader、Amazon Kindle、Moon+Reader、Perfect Viewerそれぞれを使ってみて、どれが使いやすいか。を紹介したいと思います。
SONY Reader
SONYの電子書籍端末、Readerと互換性のあるアンドロイドアプリ。
Reader Storeで販売されている電子書籍は、2012年11月現在69,200冊。
無料で読めるコンテンツも2,000冊と豊富。
個人的にはアンドロイドの電子書籍アプリとしては最もおすすめ。というか、私自身はほとんどこのReaderで自炊したPDFを読んでいます。
日本の紙の書籍の殆どは右綴じ(表紙から見て右側がとじられている)なんですが、外国では左綴じが一般らしく、多くのアンドロイド電子書籍アプリは左綴じのみ対応。
SONYのReaderは数少ない右綴じ対応(設定で左綴じにも対応)のアプリ。
また、ページのめくりが上記4つのアプリの中で最もスムーズで、スワイプ(指をめくる方向にディスプレイをなぞる動き)でページがめくれるため、読んでいて一番ストレスが感じないです。
もう紙の書籍そのままといった感じ。
弱点としては色の反転(文字を白く、背景を黒くする)がなく、フォントの大きさの変更など設定項目が殆ど無いこと。
また、最初にファイルを読み込むときに時間がかかること。
そして、適切な解像度のPDFファイルでないと画質が荒くなること。
このSONYのReaderとアマゾンのKindleは、ページのめくりが割りとスムーズなので使いやすいのですが、解像度が適切でないと文字やラインなどのギザギザが目立つんです。
それさえなければおすすめ度は5つ星なので残念!
ただ、私の場合はChainLPというPDFの解像度を変更してくれるWindowsソフトを使ってからタブレットに転送しているので、手間を惜しまなければ非常に綺麗に表示されます。
もとのPDFと解像度を縮小したPDFとファイルが2つになってしまい、管理がめんどくさいんですけれど・・・。
会員登録をしなくても使うことができるし、ファイルエクスプローラー系のアプリからPDFを開くときに指定することもできるので、使いやすさは抜群。
Reader Storeで販売されている電子書籍は、約7万冊と多いんですけれど、やっぱまだまだって感じですね。
ドラゴンボールやワンピースなどが販売されています。
Amazon Kindle
AmazonのKindleと互換性のあるアンドロイドアプリ。
SONY Readerと同じでPDFを表示させることもできます。
SONY Reader程ではないのですが、ページのめくり表現がスムーズでかなり使いやすいです。ただ、急いでページをめくるとページを読み込むのにしばし待たされることが多々あります。
全世界では140万冊の電子書籍が扱われているらしいのですが、日本の書籍は5万冊程度らしいです。
Kindle Fire HDなどの発売によって爆発的に普及する可能性を秘めた存在であることは間違いありません。
Readerと同じで、ページのめくり表現がスムーズなのでお!これは!?と思ったんですけれど、Readerの方がなめらかなのと、他の機能はほぼReaderと変わらず、何よりSONY Readerが右綴じに対応しているのですが、Kindleは左綴じのみに対応(PDFで右綴じに指定しても左綴じになってしまう)しておらず、慣れないと読みづらいです。
また、PDFを表示させる時、SONYのReaderと同じで適切な解像度でないと文字やラインがギザギザが目立ってしまう点も同じ。
使いやすさの点でSONY Readerの方が上なので、中途半端なアプリで終わってしまっているのが残念。
唯一、アマゾンという超巨大なバックボーンがあるので、将来性は期待できそうな点が救い!?
ジョジョの奇妙な冒険 第1部 モノクロ版 1 (集英社文庫―コミック版)
がKindle版で発売されていたので、今後の品ぞろえは最も期待できそうです。
ただ、電子書籍とはいえ価格はそれほど紙の媒体と違わないので、紙の書籍の古本を購入して自炊・・・というのがやっぱり最も価格を抑えることができそう。
Moon+ Reader
今回紹介するPDF対応電子書籍アプリの中で唯一有料アプリ(無料版もあります)。
有料だし、左綴じのみ対応、ページの表示がもっさりなどなど不満は多いものの、解像度がぴったりでないPDFでも非常に綺麗に表示でき、文字を白く背景を黒く反転できるので、文字だけの書籍を読む場合に使っています。
SONY ReaderもKindleも、内蔵ストレージのファイルを呼び出すエクスプローラー的な機能はない(ReaderやKindleでPDFを開くときは、ファイルエクスプローラー風アプリでファイルをタップしたときに、どのアプリで開くか選択候補に表示されるので、表示させることは可能です)のですが、Moon+ Readerはパソコンで言う「開く」みたいな機能がついています。
← 本棚もあるし、ローカルのファイルを表示させたり出来る
またこの4つのアプリの中では、テキストファイルやローカルのEPUB形式のファイルにも対応している唯一のアプリ。
EPUB形式のファイルを表示している場合に横向きにすると、このようにいかにも本っぽく表示してくれるんです。
EPUB形式の電子書籍を表示した時の、ページのめくりはスラスラめくれてストレスがありません。
解像度が適切でなくても綺麗に表示されるのはすごくありがたいのですが、ページをめくるのにタップしたりスワイプしたりしても反応しない時があり、ページをめくっても上からゆっくり表示されるという欠点があります。
また、色を反転させたときに動作がもっさりになるという、あまり使い心地は良くないです。
ただ、いちいちPDFの解像度をアプリに合わせるのが面倒な書籍や、色を反転させると目が疲れないので文字をじっくり読めるので、なかなか捨てられないアプリです。(お金も払っちゃったし)
設定項目は割と多いのですが、使えそうな設定はあまりないのがなんとも・・・。
ページの表示がもっとスムーズで動作もサクサクであれば、一気に使いやすくなるんですけれど・・・。
SONYのReaderやKindleと違い、専用のストアがないようなので、自作したPDFや電子書籍閲覧用のアプリです。
Perfect Viewer
自炊派には(おそらく)最も人気ががあると思われる、超高機能付き電子書籍アプリ。
PDFは、プラグインを入れることによって対応しています。
無料の割に機能がめちゃめちゃ豊富で、ある意味最強の電子書籍アプリ。
Moon+Readerと同じで、PDFの解像度が適切でなくても非常に綺麗に表示してくれます。
唯一の弱点がページのめくる表現が、SONY ReaderやKindleに比べぎこちないこと。また、画面のどの場所をタップするかで動作が違ってくるため、メニューを呼びだそうとしたらページをめくってしまったり・・・と、高機能な分、使い勝手はいまいちなことも。
SONY ReaderやKindleのように専用のストアがなく、ファイルビュワー的なアプリ。
あと私の設定が悪いのか、右綴じ設定ができない・・・。
色の反転が出来るだけでなく、ページの拡大や、拡大時のタップによる自動スクロールなどこれでもか!というぐらい便利な機能も豊富。
ツールバーのカスタマイズからフォルダやファイルの閲覧などもできます。
ちなみにPerfect Viewerの詳しい使い方は、 Perfect Viewerの使い方で詳しく紹介されています。
非常に細かく解説されているので、目を通しておくだけでも役立つと思います。(それぐらいPerfect Viewerには機能が多いってことでもあります)
表示が綺麗なのは?
Moon+Reader と Perfect Viewerの場合
Moon+Readerで表示させた自炊したPDFの一部。
Moon+ReaderやPerfect Viewerだと、自炊したときに取り込んだPDFがそのままでも非常に綺麗です。
SONY 電子書籍 Readerの場合
SONY 電子書籍 Readerで表示させた場合。
解像度が適切でない(Nexus 7だと800x1200)とこのようにラインや文字がガタガタ。
スキャナで取り込んだままのPDF
スキャナで紙の書籍を取り込んだ状態のまま、タブレットに送りSONY Readerで表示させたとこ。
文字のふちがギザギザしてちょっと汚い。
ChainLPで解像度を合わせた場合
ChainLPというWindowsソフトでnexus 7用に解像度を変更してから、SONY Readerで表示させた場合。
このように適切な解像度だと、文字のふちがくっきりで綺麗になりました。
amazon Kindle の場合
Kindleで同じPDFを表示させた場合。
Readerと同じで解像度が適切でないPDFは、ラインや文字ががたがたになるようです。
結局、ページのめくりがスムーズなアプリ(SONY ReaderとAmazon Kindle)はPDFの解像度が適切でないと、このようにラインなどがガタガタに表示されるっぽい。
それに対してページめくりがのろのろなMoon+ReaderとPerfect Viewerは、どんな解像度のPDFでもスムーズに補修して表示してくれるようです。
多分、このスムーズさがページをめくるときに関連しているのかもしれません。
ただ、SONY ReaderもKindleもPDFの解像度を適切にすれば(参照:SONY Readerで自炊したPDFを綺麗に表示させる)めちゃめちゃ綺麗に表示することができます。
手間を惜しまなければ、ページをめくる時のスムーズさを優先させたほうがいいかも。
まとめ
機能は少ないですが、自炊したPDFの閲覧にはほとんどSONY Readerを使っています。
ただ、そのまま取り込んだPDFを表示させると画質が悪く、文字やラインがギザギザなのでChainLPというWindowsソフトで解像度を適切に縮小してやらないといけないので、手間が1つ増えるのが難点ですが、その分読書中のストレスが少ないので、わざわざ手間をかけてでもReaderアプリを使うようにしています。
7インチタブレットは、文庫本サイズの書籍の文字が潰れず、スキャナで取り込んだ文字を拡大することなく綺麗に表示させることができるので、自炊用の端末としては最適なデバイスだと思います。
が、アプリにそれぞれ一長一短があって、すべていい部分を取り揃えているアプリが無いので、状況によって上記の4つのアプリを使い分けています。
メインはReaderですが、文字だけの書籍を読むときはPerfect ViewerやMoon+Readerで、色を反転して読んでいます(こうすると目が疲れない)。
タブレットやスマホへのPDFの転送は、iPhoneやiPadよりずっと楽で、いろいろな方法が用意されているのがアンドロイドの魅力。
なので、今後アプリがそれぞれ使いやすいように進化してくれれば・・・と思うんですけれどねぇ。
2012/11/10 22:01 | | |