SONY Readerで自炊したPDFを綺麗に表示させる
Last update 2012/10/30 23:55
SONYの電子ペーパーを使用した電子書籍端末Readerが評判がいいらしいです。で、互換性があるアンドロイドアプリのSONY 電子書籍 Readerというアプリも無料で公開されました。
機能が他の電子書籍アプリに比べて少ないんですけれど、すごくページのめくりがスムーズで読書しているときにストレスがないのは、アンドロイドの自炊用アプリでもこのReaderが一番だと思います。
他のはページがめくれるのに時間がかかったり、カクついたり、ちょっとタップしたらページが変わってしまったり・・・と、ちょっと使い勝手が悪いんですよね。
iPhoneやiPadだと、良質なPDF表示アプリが多いんですけれど、アンドロイドだとまだまだって感じがします。
で、一応会員登録をしなくてもスマホやタブレットに取り込んだPDFなどを見ることができます。
モノトーンタッチのデザインは、電子ペーパー版のReaderを引き継いでいるためでしょうか。
「アプリを使ってみる」をタップすると会員登録無しで使うことができます。
会員登録は非常に入力項目が多いので、とりあえずは使ってみたほうがいいかもしれない。
こんなかんじで過去読んだ本棚へのアクセスするための画面になります。
特に感動なのが指の動きに合わせてページがめくれること。
当たり前のような気がしますが、これを実現できるアプリってアンドロイドでは全くないんです!(PerfectVewierやMoon Readerなどではちょっとカクつく)
Readerの弱点
すごく使いやすくて気に入っているんですけれど、いくつか気になる点があります。
機能が少ない
他の電子書籍アプリだと、フォントの大きさや色、フォント自体の変更など色々出来るんですけれど、そういった機能が全く無いです。
ただ表示されるだけ。
しおりを挟むような事はできるのですが、それ以上の「あんな事ができたらな」が、できません。
画質が汚い!?
自炊で作成したマンガや小説などのPDFをアンドロイドのReaderで表示しようとすると、すごく汚いんです。
▲ こちらはアンドロイドのSONY Readerで表示させた場合。
微妙にラインがギザギザになっています。
▲ こちらは同じPDFをMoon Readerで表示させたところ。
こちらは非常にすっきりして綺麗です。
この比較だとあまりわかりにくいかもしれませんが、実際にReaderだとPDFがちょっと汚く表示されるんです。
こちらはアンドロイドのSONY Readerで表示させたところ。
文字がカクカクして汚いですよね。
有料の電子書籍アプリMoon Readerだとこんなに綺麗。
なぜ汚いか
これは、自炊したPDFをKoboできれいに表示させるにはでも書きましたが、解像度がぴったりでないとReaderは綺麗に表示してくれないんですね。
7インチタブレットの殆どは、800x1280という解像度ですが、ScanSnapのようなスキャナーで高画質で取り込むと、2000x4000ぐらいの超高解像で取り込まれます。
パソコンのように大きな画面や、アンドロイドのたのPDFアプリだと解像度が違っていてもうまくぼやかしてくれて、綺麗に表示されるんですけれど、SONY Readerや電子ペーパーではこうした機能がなくて、解像度があっていないと、汚く表示されてしまうと。
こちらはChainLPというPDFの解像度を変更してくれるWindowsソフトを使って解像度を変更し、nexus 7に転送。
その後SONYのReaderアプリで表示させたものです。
ご覧のようにすごく綺麗になりましたよね!!
ChainLPとは?
ChainLPとは、複数の画像やPDFからPDFを作成するソフトで、解像度を変更したり、余白を削除したり、文字などを刻したり・・・いろいろな自炊で作成した困ったことを治してくれる、すんごいありがた~いソフト。
今回はこれを使ってnexus 7にあわせた解像度に作りなおしてみます。
入手方法は、ChainLP作者さんのページで公開しているので解凍すればOK。
nexus 7や最近の7インチタブレットは、800x1,280ピクセルのディスプレイなのですが、SONY Readerで表示される部分は、800x1,200ピクセルです。
PDFを読み込む場合は「arc」が。
複数の画像を読み込む場合は「dir」にチェックを入れ、「入力」ボタンをクリックします。
解像度の設定
ここが今回の肝です。解像度の設定。
7インチタブレットの多くは、ディスプレイの解像度が横800ピクセル、縦1,280ピクセルになっています。
iPad miniは768x1024という少し荒い(ドットが大きい)解像度ですが、たいていのアンドロイドタブレットは7インチタイプは800x1280になっています。
ただ、SONYの電子書籍 Readerの表示部分はそのうちの800x1200となっているっぽいので、ここは「800」と「1200」を入力してください。
その隣は「通常」のままでOKです。
これでPDFの全頁をこの800x1200の解像度で統一してくれます。
余白を削除
自炊した書籍は、マンガでも小説でもたいてい余白がだいぶ残ったままの状態だと思います。
Adobe Acrobat Readerでは、トリミングと言って余白を切り取る機能もありますが、ChainLPでは、もっと簡単。
余白だと思われる部分を全自動で切り取ってくれる機能があります。
余白も小説と漫画とは違ってくるので、小説の場合と漫画の場合とを指定してやれば、なおさらきちっと余白を判別してくれて、トリミングしてくれます。
例えば、この画像はトリミング指定する前の状態。
だいぶ余白がありますね。
そこで「ページ補正」の部分を「小説優先」にすると・・・
このようにピタっと上下左右の余白を取り除いてくれます。
また、800x1200で指定した解像度で縦と横のどちらかがピッタリ収まるようにしてくれるので、タブレットで表示した時も文字が大きく表示されて見やすくなるのです。
これはぜひ設定しておきたい項目の一つ。
ただ、若干余白もギリギリに取り除いてしまうので、少しは余白を残しておきたいな。という場合は、手動で余白をカットすることもできます。
色を濃く文字を太く
自炊して作成したPDFでがっかりしてしまうことの1つに、色が薄い場合があります。
また色はちょうどいいんだけれど、タブレットで見た時にもうちょっと字が太ければな。なんてことがたまにあります。
そんな場合もChainLPでは修正できます。
それが「本文ボールド化」。ここのチェックを入れると・・・
このように文字を太くしてくれるんです。
私は小説やドキュメンタリーなど文章のみの書籍をPDF化した場合はこのチェックは必ず入れるようにしています。
その下にも、「ガンマ補正」という項目があり、マンガやイラストの場合の濃さはここで修正するといいでしょう。
例えばこれはガンマ補正を入れていない状態。
ガンマ補正を入れるとこのようにラインなどが濃くなります。
この濃さも細かく選べるので、適当な数値を探しだすといいと思います。
目次設定
なんとPDFに目次を入れることもChainLPでは可能です。
意外といろいろな本を読んでいると、えーっとどこまで読んだっけ?なんてことが多くなるのですが、この目次機能があれば探すのも楽。
ちなみに電子書籍アプリは、自動的に読んでいた部分を記憶してくれて、次回読むときはそこから表示してくれます。
作成
すべての設定が終わったら、新しくPDFに書き出してみましょう。
慣れてしまえば設定も1柄2つ設定するだけ。
あっという間に完了。
ただ、保存するのに時間がかかるので(10~20分ほど)、その点だけは注意しておいてください。
タブレットに転送する
アンドロイドタブレットにPDFなどを転送する方法はいくつかあります。
最も手軽で多くの人がやっているのが、USBケーブルをつないでドラッグアンドドロップでコピーする方法。
でもアンドロイドはiPhoneやiPadと違い、パソコンやサーバー上のファイルをダウンロードしたり、同期したりするアプリが豊富にあります。
以下の方法で転送すると楽です。
- パソコンとアンドロイドを繋げる
SONY系(Xperia)でパソコンと繋げる場合のソフトの使い方 - アンドロイドでパソコンとファイル共有
自宅や会社の他のパソコンの中身にアクセスする方法。超お薦め! - FolderSyncの使い方
ちょっと難しいけれど全自動でパソコンとアンドロイドの中身を同じにしてくれるFolderSyncの紹介。超便利! - Allway Syncを使ってWebDAVに同期やバックアップする
WebDAVという技術を使ったバックアップを利用した方法。私は最も活用している方法です。 - スマホやタブレットでPDFを見るには
- iTunesの音楽とAndroidで同期するには
- スマホでiTunesのプレイリストを聞く
2012/10/30 23:55 | | |